ちょっと早起きした朝に、

パン屋さんで朝食を食べていたら。

隣に座っていたおばあちゃんが

コーヒーを飲もうとして、

テーブルにこぼしてしまって。

こういう時、なぜか私

脊髄反射で動いちゃうんですよね。

(運動神経は鈍いくせに…)

咄嗟に紙ナプキンを取りに行き、

おばあちゃんに渡して

火傷してたら大変だから、カウンターに

冷たいお水をもらいに行き。

そんな一連のあれこれから、なんとなく一緒に

朝食タイムを過ごすことになり。

とはいえ、カンターに並んでアクリル板越しに。

   

来年1月で80歳になるというその女性は

とても肌が綺麗でシャンとしていて。

『私は結局、結婚もしてないし子供もいないから

 気苦労がない分、シワが少ないのよ』

なんてイタズラっぽく笑っていたけど。

話の流れから、

「戻れるなら、何歳ぐらいに戻りたいですか?」

なんて聞いたら(初対面でどんなトークしとるんや)

『45歳!!!』

って即答されて、超びっくりした。

私、自分の年齢を伝えたわけでもないのに

自分の年齢をドンピシャで言われて超驚いた(笑)。

なんでも…

20代のときはとにかく生きるのに必死で

一生懸命勉強して、資格をとって、働いて、

30代になったら、

すごく仕事が楽しくなったけど

結婚はまだか?子供はどうする?って聞かれて

そういう周りの声に悩んだりもして、

45歳になったら

結婚やら子供やらのしがらみから開放されて、

すごく自由になれた…とのこと。

で、45歳の時に思い切って

それまでの仕事を辞めて、

全くやったことがなかったけど、

ずっとやってみたかった飲食業に飛び込んだら

もう、楽しくて楽しくて!!

『やっと、自分のために生きてるって

 実感できたの』

と目を細めながら話してくれました。

   

『45歳って、ある程度人生も見えてきて

 他人の声に惑わされない程度に大人になって

 親の期待とか、そういうのからも解放されて

 自分のために生き直せる年齢なんだなって

 80近くなって、思うわ。』

って…深い…深すぎる…。

   

実は私、なんだか最近ちょっと鬱々として

『もう45だしな…』と色々と後ろ向きに

なりがちだったんですよね。

でも、この女性の話を聞いたら

『まだ45か!!』って謎に勇気出た(笑)。

確かに、

次のタームの入り口って感じするんだよね…

言葉では表現むずいんだけど、実感として。

   

『他人はね、無責任にあーだこーだいうけど、

 そんなの聞かなくていいのよ。

 あなたの人生なんだから、

 自分が楽しいと思ったことを選んでね。』

人生の先輩の言葉は、真理だよな。

   

たかだか20分ぐらいの交流だったけど

なんかこういうの久しぶりですごく嬉しかったな。

コロナ禍になってこうやって

誰かと気軽におしゃべりする機会とかなくなって

女性とも「なんだか、こういうの楽しいわね」って

笑い合って。

『またいつか、一緒に朝ごはんをたべましょう』

って、名前も連絡先も聞かずに

次の偶然を楽しみにすることにしました。

また、会いたいな。会えるといいな!!

  

non。