先日、新しく番組のオファーを頂いてプロデューサーさんにご挨拶した時。
『ちなみに小林さん、年齢は?』
って聞かれて。これ別に、セクハラでもパワハラでもなんでもなく
年齢って割と重要な要素なのですよ。
アイディアを出したり情報をキャッチしたり
あとは、キャリア的な意味でも。
私なんて年がら年中Tシャツ&Gパンっていう『浪人生ルック』だから
パッと見、若く思われるんだけど年齢を言ったら
プロデューサーさんちょっとガッカリ…。
『30前後の女性作家さんって、本当にどこにいるんでしょうね』
って言われて。いや、マジでどこにいるんでしょうねって感じでした。マジで。
っていうか、男女問わず若い作家さんがいない。
これ、結構深刻な問題なんですよ、現場で。
だって私、10年前とやってることとポジションがほとんど変わってない。
どこの会議に行っても大概、未だに『末っ子』だし原稿を書く『実働部隊』だし。
自分が28の時、38になったら会議で喋るだけのブレーン作家になれてると思ってた。
いつまで経っても実働部隊だから、実働量が膨大で。
ちょっと仕事が増えるとヒーヒーするんすよ。ヒーヒー!!
なぜなのかといえば、理由はたくさんあるんだけど。
その一つが『放送作家になりたい』なんて若者がいないんだろうな。
私が学生の頃、何かを表現するにはテレビとか雑誌とか『大きなメディア』に頼るのが
一番手っ取り早くて時代の最先端にいられる気がしてた。
自分の手で流行を作り出せる実感もあるし(これは今もあるけどね)。
その意味で、放送作家ってのは『憧れの』職業でもありえたと思う。かつては。
だけど、またこれWEBとテレビの話になっちゃうけど
アウトプットするディバイス(最近覚えた)が『個』の単位で可能になった今
別に放送作家になる必要なんてないんだよね。
まぁでも、WEBでよくわからないクリエーターになって一攫千金を狙うよりは
放送作家の方が稼げると思うけど。
あと、女性作家がいない現状としては結婚や妊娠っていう問題もあるけど
私たちがガツガツ働いていた20代半ばから30代前半、
『女性放送作家』という存在が世に認められ始めた頃
どの会議でも『んじゃ、ウチも女の放送作家いれとく?』みたいな感じで
いろんな番組に呼ばれたんだけど、結局、女性放送作家の席の数は
各番組に『定数=1』なんだよね。ひと枠しかないの。
ちなみに男性作家は4~5人いるけどね。
そこにハマるかハマらないかは、これ本当に運と縁で
私はたまたま運と縁に恵まれていてこの『定数=1』にハマったため
いろんな番組によばれたんだけど。まぁ普通に考えて、
呼ぶ方も毎回よくわかんない新しい作家呼ぶよりも、
仕事したことある作家の方がいいから同じ人をリピートするよね。
こうやって結局、一部の人間に仕事が集中するという仕組みで。
ま、そんなこんなで。
あの頃からなんだかんだ今も、仕事している同世代の女性作家って
私は自分以外にナオちゃんとユキちゃんぐらいしか知らない。
もうちょっと上の世代になると、これまた結構いるんだけど。
というか、結局私たちってストイックに『テレビ』と向き合ってきたから
(テレビ以外のことをやる時間がなかっただけだけど)
今もこうやって仕事できているんだと思う。
途中で謎のイベンターやらライターになった人たちは、今、放送作家として
名前をみないもんなぁ。
ま、放送作家が全てってワケじゃないけど。
そんなこんなで。
20代半ばの女子でそこそこ文章が書ける子は、今、放送作家になれば
ガッポリ稼げますよ。マジで空席だらけですから。
でも、私に『どうやったらなれますか?』とか聞かないでね。
自分で入口を見つけられないような人が、売れっ子になれるほど
甘い世界じゃないからね。あはは。
写真は絶滅危惧種の女性作家だよ!かつての『若手』は今も『末っ子』だよ(笑)。
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