最近不況で就職難だからかなんだか知りませんが、本当に唐突に
『放送作家になりたいんですけど、どうしたらいいですか?』
というメールが送られてくることが多々あります。
まぁ、ブログやツイッターで放送作家であることを明かしているので、
こういう質問メールがくるのは自業自得なのかもしれませんが、
いやしかし、それにしたって見ず知らずの人に突然聞くってのは
やっぱりマナーとか必要じゃないです。
やみくもに、『どうしたらなれますか?』って聞くよりも、
例えば具体的な質問案を挙げるとか。
と、まぁプンスカしてもしょうがないので、
私が放送作家になったまでを簡単に書いてみます。
☆大学在学中に、昔の『元気が出るテレビ』の名残であった
『放送作家予備校』の面接に受かり放送作家になる。
ちなみにこの時、私は放送作家がどんな職業か全く知らず、
その前まで出版系でバイトをしていたので
「作家ってつくぐらいだからこれまでのバイトも活かせるだろ~」
って簡単に考えてました。
☆あまりの仕事のハードさに、大学との両立がめちゃくちゃ大変になる。
主な仕事は『特命リサーチ200X』のリサーチ。
放送作家の下積みっていうとこの『リサーチ』がメイン。
とにかく「お化け探して来い」とか「心霊写真撮ってこい」とか
めちゃくちゃハードでしたが人生で一番濃い時期です。
☆大学卒業後、テレビ番組制作会社に入社
放送作家という仕事の一端をやらせてもらった結果、
『私はテレビのディレクターになりたい!!』と思い大学4年の就職活動で
『ハウフルス』という制作会社を受験し、入社。
ADとして『アド街っく天国』(ほんの少し)や
『The JUDGE』などの番組を担当しつつも
やっぱり自分にはディレクター業は向かないんじゃないかと考え始める。
台本を書いてる方が楽しかったし、
方向音痴だったし、どうしても編集の作業が好きになれなかったから。
でも、AD時代は私にとってかけがえのない大切な時間でした。
この時に『テレビの仕組み』をきちんと学べたし、
この時の人脈が今も生きているってことたくさんあるし。
☆25歳で放送作家に逆戻り。
収録直前の編集作業中に、ディレクターに
「3時間だけ時間を下さい!!」と言って、作家事務所の面接を受けに行く。
面接で当時ハマっていたケン玉について熱弁したら面白がられてそのまま内定。
『ハウフルス』と退職した翌日から放送作家事務所で働き始めました。
この事務所が当時立ち上げたばかりだったため、
入社した当日からレギュラー番組を頂けるという
なんともラッキーな環境だったため、
私は下積みってやつをほぼ経験することなく作家になっちゃいました。
通常は、「リサーチャー」とよばれる下積み期間を数年経てから
作家になることが多いようです。
☆27歳でフリーに&28歳で大失恋してまさかのブレイク。
事務所に所属していると、やはり人間関係が色々とごちゃごちゃしてきたり
お金の問題が出てきたりとなんだか面倒くさくなっちゃったので
事務所を辞めてフリーに。で、その直後、大失恋したのですが
毎日泣いて、泣いて、泣いて、泣いて過ごしていたら、
見かねた周りの先輩方が私の空いているスケジュールに
どんどん仕事を入れてくれて、うっかり売れっ子に。
このころ、最高で一週間に15本以上のレギュラーをやっていました。
もう、気が狂いそうでしたし、
どんな暮らしをしていたかほとんど覚えていません。
記憶を失くすぐらい働いてましたね。
ただ、お金を使う暇もなかったので貯金だけはガッポリできました。
これはラッキー。
☆30歳で結婚して、人生を見つめなおす。
人格や人としての尊厳を失うような仕事の仕方から一転、
結婚してからは仕事をスローペースに。
って、してるつもりが、全然、ペースダウンできてないのですが今年は少し、
ゆっくり過ごせています。
過労のために体調を崩したりすることが頻発していたので、
今は家庭と自分のカラダを大切にする時期だと思っています。
って、こんな感じです。
「なんだ、運と縁だけでやってきたんじゃん。」 って思ったアナタ!!!
まさにそうです!!!私の放送作家人生は、運と縁だけでやってきました。
でも、私は頂いた仕事に対しては120%の成果を出すように心掛けているし、
そういう一つ一つの積み重ねが次の仕事につながって、
なんだかんだこれまでやってこれたのだと思います。
放送作家は確かに、普通の会社員の人よりは収入が多いかもしれない。
だけどその分、不規則で不健康な生活だし、
常に何かを新しくアウトプットしなくてはならないというプレッシャーもあります。
そして、常に能動の生き物です。
待っているだけでは仕事は来ませんし、
待ってるだけの奴に、誰も仕事なんて頼みたくありません。
あくまでもこれは私のパターンなんで、なんとも言えませんが
放送作家になるための正しい道っていうのは別にありません。
なりたいと思ったら、なったらいい。そのために全力で努力をすればいい。
なんだか偉そうに申し訳ないですが、私が言えるのは、これだけです。