『ゆれる』や『ディア・ドクター』の西川美和監督の最新作
『夢売るふたり』の試写に行ってきました!!!
西川監督といえば、あの行間を読む感じのジワっとした演出がうまくて
それがまたあたしは大好きで。
あの絶妙な描き方って、本当にすごい。
で、『夢売るふたり』のストーリーはというと…
料理人の貫也と妻の里子は東京の片隅で小料理屋を営んでいたが、
調理場からの失火が原因で店が全焼。すべてを失ってしまう。
絶望して酒びたりの日々を送っていた貴也はある日、
店の常連客だった玲子と再会。酔った勢いで一夜をともにする。
そのことを知った里子は、夫を女たちの心の隙に忍び込ませて
金を騙し取る結婚詐欺を思いつき、店の再開資金を得るため、
夫婦は共謀して詐欺を働く。しかし嘘で塗り固められた2人は、
次第に歯車が狂い始めていき……。
主演は「告白」の松たか子と「なくもんか」の阿部サダヲ。
というもの。
激しい展開とかスピード感ってやつはないのだけれど
なんだろう、このジワジワくる感じのものすごい印象は。
夫婦って、結局は他人同士がなった家族なんだよなとか
愛のカタチってなんだろうなとか色々考えさせられました。
『ウソ』とか『詐欺』とかに対する罪悪感に徐々に苦しむ夫と、
詐欺をさせることで夫に腹いせしていたけどやっぱり苦しい妻と。
その両者の心情を、フレームににじみ出るように描くのはさすが。
映画の中で、最も印象に残ったのは
『あたしたち、シャレになるようなことやってないじゃない!』
ってキレた里子のセリフ。
平気な顔して夫を操っていた里子だったけど
やっぱり平気じゃなかったんだ…ってのがこの一言に全てつまってた。
西川監督の独特のテンポ感とかフレーム展開とかが好きな方にはぜひ!
あと、激しいハリウッド映画に疲れちゃった人にもぜひ!!
『夢売るふたり』は、9月8日公開です。