緊急事態宣言下のジーダブは、
お家で読書なんぞいかがでしょう?
ということで、最近読んだ本をまとめてご紹介。
まずは、朝井リョウさんの
作家生活10周年記念作品『正欲』。
朝井さんといえば『桐島、部活やめるってよ』で
鮮烈なデビュー飾り、その瑞々しい言葉で綴られる
「青春の苦悩やリアル」みたいなものが私は大好きで。
青春時代特有の「言葉にできないようなもどかしさ」を
見事にピタッと表現するパワーに
いつも圧倒されていました。
が。
今回はそんな青春小説ではありません。
いわゆる「マイノリティ」を描いた物語。
多様性ってなんだろうねってことを考えさせられる
一冊です。多様性ってなんだろね…。
相変わらずの表現力と文章構成は圧巻だけど、
正直にいうと私、
これはあまり好きではありませんでした…。
(好きな人、ごめんなさい!)
クチコミでは絶賛されているし、
確かに今までにない世界観ではあるんだけど、
ちょっと安易な感じがしたんだよなぁ。
というか、いつの間にか朝井さん、
私を置いて大人になってしまったのね…という
寂しさかもしれない。
私自身が青春ノイローゼで、そういうもどかしさを
描いた作品が大好きだから、大人になった
朝井さんの新境地に私がついていけてないんだろうな。
「哲学」とか「生きる」とか
フィールドが大きくなりすぎて戸惑っている…
というのが、正直な感想です。
ただもう、本当に表現力は相変わらずヤバい(語彙力)。
「多様性、という言葉が生んだものの一つに、
おめでたさ、があると感じています」
『正欲』朝井リョウ
だってほら、この一文だけでも
もう目を背けたくなるような破壊力がある。
読んだ人と感想が話したくなる一冊です。
ジーダブ読書に、ぜひどうぞ。
non。