知識と経験を共有するために

税金を使って派遣されているんだから

活動先と協業すればいいじゃないか!!!

って、思いますよね。

私も思います。いや、思っていました。

でも、無理なんですよ。実際、無理なの。

  

これは協力隊あるあるかもしれないですが

まず最初に言語でつまづく。

どれだけキャリアを持っていても言葉は5歳児レベル。

受け入れ先の人たちが相当優しくない限りは

『話せない日本人が急に来ても困る』ってなる。

でもって私の場合は、

活動先のテレビ局の人たちがJICAについて

全く理解してなくて、私のことを完全に

インターンだと思ってたんですよね。

ガチで日本からボリビアのテレビを

勉強しにきたと思ってた。

どうしたらそうなるの(白目)。

  

で、言葉もできない

インターンだと思ってる日本人と

誰が一緒に仕事したいと思います?

仕事したいと思わないのが正しい感情です。

彼らから見たら私は「インターン」なんだから

「ボリビアでありがたく勉強させてもらえ」

という感じだろうし、無料で使える便利な存在。

そして、自分たちより「下」だと思っている私が

アレコレと提案するわけですよ。

「作業フローをこういう風にしてみない?」とか

「日本のニュースの現場ではこうしているよ」とか。

そりゃもうね、「はぁ?」ってなるよね。

  

でもって、テレビ局にはすでにやり方があって

別に変えたいとも思っていない。

「こうしたらもっと効率的になるよ」

「台本を書くともっと思考の構築が楽しくなるよ」

と伝えても、現状で不便はないので変えたくない。

(しかも5歳児レベルのスペイン語のやつが口出す)

私のアプローチも悪かったのかもしれないけど

(悪いとは思ってないけどね!)

これで、活動先にアレルギーが発生したのは事実です。

  

赴任から半年ぐらいは毎日報道の取材現場に出て

いろいろ把握するためにADみたいなことやってたけど、

ある日突然、

「これって私の仕事じゃないよね?」って気づいて。

というか、生放送にしてもニュースの現場にしても

私のコンプライアンス感覚では考えられないような

雑な制作をしていて、そこを指摘すると

「ここは日本じゃないんだ」

「ボリビアにはボリビアのやり方がある」と

彼らもやっぱり面白くなくて、態度が硬くなる。

別に、そんな無茶苦茶な指摘はしてなくて

報道倫理に則って、一次情報をに当たりましょう とか

一方の意見だけではなく両者のインタビューを分析して

公平な報道をしませんか? とか

視聴者にわかりやすくするために、台本を書いて

もう少し情報を整理しませんか? とか

その程度のこと。

私にとってはごく当たり前のこと。

でも、彼らにとっては「めんどくさい」以外の

何物でもなかったんですよね。

  

相互理解は無理だ、協業は難しそうだなと思って

そこから、私はやり方を変えました。

だったら自分の番組を立ち上げよう

そうしたら誰か一緒にやりたいって人が出てくるかも!

って思って、新番組の企画をガンガン提案して

企画を通して、番組制作の権利を勝ち取るのですが、

(まず、そんなことをする人がこの局には私以外にいない)

一緒にやりたいって言う人はいないし、

純粋に日本の番組制作を知りたい人はゼロ。

現実なんてこんなもんです。

みんな、それぞれ自分の仕事があるし

というか、就業時間以外は働きたくない。

(就業時間内に最低限の仕事しかしたくない)

以前も書いたけど、

クリエイティブを楽しむと言う概念がここにはないので

私の常識と違うし、

もちろん彼らとの常識に私が当てはまらず

結果的に協業は難しいなって感じになりました。

  

だから、活動先のテレビ局に何かを頼るよりも

私はサンタクルスという街全体を活動の舞台にしよう

この街で一人でも多くの主人公を作ろう

という考えに変わったんです。

もちろん、

私が映画祭に選ばれたり私立大学で授業をすることは

テレビ局のプロモーションになるので

その意味では活動先に貢献しているとは思うし、

それなりに役には立ってると思う。

  

受け入れ先のテレビ局がJICAを迎えるにあたり

何かビジョンがあったのか不明だけど

(多分、そんなものはない)

実質的に彼らの仕事を手伝えてはいないので

そこは申し訳ないなと思ってる。

ちなみに仕事以外では彼らはとてもいい人で。

だからかろうじて

私はまだボリビアにいるという感じなんだけど。

  

『ボリビアの人と一緒にたくさんの番組を作りたい』

訓練所でも、派遣当初もキラキラした目をして

そんなことを言っていた自分が懐かしいけど

現実には難しいこともたくさんあるし、

それでも、難しい中でもがきながら

自分の居場所を見つけたことを

私は誇りたいと思ってる。

  

そして、協業が難しいのは

ボリビア人特有の性質にも

原因があるのかなと思ってる。

次回は、この1年半でわかったことを言語化するよ。

  

non。