最近、あんまり試写とか映画に行く時間がなくて。
でも、これはどうしても観たかった作品です。アカデミー賞でも話題になってたしね。
今、自由になる時間って金曜の夜しかなくて。
友達と飲んで酔っ払って家に帰って、まだ寝たくないな〜なんて思って
この映画を観ました。本当は、そんな軽い気持ちで観るべき作品じゃないのかもしれないけど。
ストーリーは…
若年性アルツハイマーの女性アリスが記憶を失っていく日々をつづった
全米ベストセラー小説「静かなるアリス」を映画化し、アリス役を演じたジュリアン・ムーアが
第87回アカデミー賞で主演女優賞を受賞したドラマ。
ニューヨーク、コロンビア大学で教鞭をとる50歳の言語学者アリスは、
講義中に言葉が思い出せなくなったり、ジョギング中に自宅までの道がわからなくなるといった事態が続く。
やがて若年性アルツハイマー症と診断され、家族の介護もむなしく、
アリスの記憶や知識は日々薄れていく。そんなある日、アリスは記憶が薄れる前に
自らパソコンに残したビデオメッセージを発見し、自分が自分でいられるために、
画面の中の自分が語ることを実行しようとする。
というものです。
なんだろう。アリスがね、とても知的で聡明で頭脳明晰で『考える』ということに
全人生を捧げてきたという背景が、若年性アルツハイマーに侵される日々への恐怖を描く上で
ものすごく大きな伏線になっていて物語のフックになっている。すごいな。
劇中でアリスが
『今この瞬間も、私は脳細胞が死んでるのを感じてるの。』
っていうセリフがあるんだけど。
もう、このセリフに彼女の人生と恐怖が全て詰め込まれている気がした。
当たり前にできていたことがどんどんできなくなる。
本人もそうだけど、支える家族も困惑し疲弊する。
父の闘病の時に強く思ったけど『病気』って本人だけじゃなくて
家族の問題なんだよね。家族みんなで苦しむ。
私も自分自身、割と脳みそを使ってアイディアを出す仕事をしていると思っているけど
こうやって毎日、使いまくってる脳細胞が壊れていくって想像しただけでもう恐怖だ。
そうなった時、旦那ちゃんは私を好きでいてくれるのかな。
もう、わかんない。
逆に、私のことすらわかんなくなっちゃった旦那ちゃんを支えられるのか。
たぶんできるけど、現実はそんなに甘くないと思う。
なんてことを思ったのでした。
ちなみにアカデミー主演女優賞を受賞したアリス役のジュリアン・ムーアの
『内面から徐々に壊れて行く様子を表面化していく』みたいな演技表現はすばらしいです。
そう、病気ってある日突然の変化じゃなくて。徐々に徐々に進行していくんだよね。
それをすごく自然に適切に表現してる。すごい。
ちょっと大人の映画ですが、観る価値ありまくりです。
雨降りの日に、しっぽりみたい作品。
映画『アリスのままで』は、現在公開中です。Edit”映画『アリスのままで』。”