細田監督の最新作『バケモノの子』を一緒に見に行った友だちが

『細田監督なら「オマツリ男爵と秘密の島」を見てみるといいよ』

と教えてくれました。

『細田監督って本質的にこういうのを撮りたい人なのかなってわかるような作品だよ』

とのことで。

「オマツリ男爵…」はワンピースシリーズなのですが、私…ワンピースは見たことありません。

っていうか、興味無い。(あんまりアニメーション映画見無いんだよねぇ)

これまでのワンピースを見ていなくても大丈夫とのことだったので、

細田監督の『感動』やら『感涙』系の作品とはちょっと違った作品ってのにも興味があって

早速観てみたのですが…いやはや、これ暗い。超暗い。でも、観てよかったよ。

ストーリーは…

「オマツリ島」への永久指針と地図を拾った麦わらの一味は、パラダイスだというその島を訪れる。

島の当主と名乗るオマツリ男爵により数々の不条理な試練を受けさせられ、最初は楽しんでいたものの、

仲間達が試練での苛立ちでどんどん不協和音を鳴らし、仲間割れを起こしてしまう。そんな中、

チョッパーとロビンは島の不自然さを感じ始めていた。

というもの。

要は、『仲間』を失ったオマツリ男爵が、仲間に恵まれている他の海賊に猛烈に嫉妬して

自分以外の楽しそうな人たちの人間関係を壊していくっていうもの。

嫉妬と羨望がドロドロと入り混じっています。

さっきも書いたけど、ワンピースって作品をこれまで全く見たことがなかったので

よくわからないけど『仲間』ってそんなに大事なの?っていうのが正直なところ。

まぁ『仲間』を大事にするのがワンピースの根幹なんだろうけども。

なんだろうな、このオマツリ男爵が「仲間」に対する執着が強すぎるから

いろんなことがねじれてくるし、超こじらせてるわけなんだけど。

っていうか、そうじゃないとこの映画のストーリーは進んでいかないんだけどね。

猛烈な嫉妬や執着は、時として他者を攻撃する…みたいなお話で。

いつだってね、人間の抱える感情で一番恐ろしいのは『嫉妬』ですよ。

これ本当に。

別に恋愛だけじゃなくてね、仕事においてもね『嫉妬』にかられた人は

時としてものすごい勢いで他人を攻撃する。驚きの手段を使ったりしてね(散々やられた)。

ま、結果的に本人が破滅するんだけど他人を巻き込まないでほしいよね。

人間の抱える『闇』って、やっぱり凶暴で暴力性のある負の連鎖を生む…んだよね。きっとね。

これは『バケモノの子』でも描かれてたことなんだけど。

調べてみたら、この映画は細田監督の『仲間への思い』がいろんな意味で入り組んでいるみたい。

『ハウルの動く城』制作時のスタッフ召集の失敗と、

その失敗によって絶望しているところへ新たな仲間が集まってきてくれた経験を、

この作品の基にしているんだって。なるほどね。

ま、そんなこんなで。

『感動』とか『自己犠牲』とか美しい話を得意としている(ようにみえる)細田監督にも

こういうドロドロとした部分があったということがわかって、より好きになりました。

人間らしさってこういうとこにでるよね。やっぱり『陰部』にね。

あと。

ゾロの声が毎週お会いするナレーターの中井さんで無駄に興奮した(笑)。

今週会ったら早速「みました!」ってドヤ顔で言ってみよっと。

あと、脚本も知り合いの先生だったのでビビった(笑)。世間は狭いねぇ。

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