今、担当している特番でとある民族の取材をしています。

彼らはイスラム教で、その信心度合いもとても深い。

その彼らの『宗教観』というか『信心深さ』が、

私にはどうしても理解できないのです。

 

いや、頭ではわかっています。あくまでも『知識』としては理解できるのですが

体感として理解できない。

ものすごく乱暴な言い方だけど、彼らはとても熱心に神様にお祈りをするけれども

神様は助けてくれてないじゃない。

神様にそういう見返りを求めることこそが間違いなのかもしれないけれど

それじゃぁなぜ、そこまで熱心にお祈りをして様々なことを捧げるのか。

やっぱりよくわからない。

 

ということが知りたくて、私は大学で宗教学を勉強しているんだけど

(正確には印度哲学で宗教的には仏教とヒンドゥー教しか学んでないけど)

『神様』というものと共に生まれ、

暮らしてきてない私にはやっぱり勉強してもよくわかんなかった。

 

ということで、そんな『宗教観』みたいなことも含め、今回その民族を取材したいと

一緒に組んでいるディレクターさんに話したら、

彼は非常にフラットに宗教を受け入れている。

『信じるとか信じないとか、救ってくれるとか救ってくれないとか

そういうことじゃないんですよ』

『ただ、ずっとそばにあって当たり前のように寄り添ってくれる存在なんです』

と、おっしゃるんだけど…いや、そりゃわかるんだけどさ。

というかこのディレクターさんが押し付けるわけでもなく、

頭ごなしにいうわけでもなく、

とてもナチュラルにこういう話をしてくれるのでなんでだろう…と思っていたら

ご両親が敬虔なクリスチャンで、ご自身もやっぱりクリスチャンで。

だから生まれた時から生活の中に宗教があったんだとか。

なるほどなぁ。

 

逆にこのディレクターさんも、

これまでこんなに宗教観について話したことがなかったといい

『小林さんって、いわゆるステレオタイプな感じの日本人的宗教観ですよね』

とおっしゃって。

だからこそ、私の目線がブレないように取材に臨みましょうということに。

 

なんだろう、やっぱり知らないことやわからないことは恐怖につながる。

イスラム教のことを知識としては知っていても、

感覚ではやっぱり理解できてなくて

それが、彼らを怖いと思ったり、

最悪の場合には差別をすることにもつながるんだろうなぁ。

な〜んてことを、勉強しながら思いました。

 

まだまだ知らないことはたくさんあるなぁ。

こうやって知らないことを知っていくという『刺激』はやっぱり楽しい。

夏にむけて、勉強しなくちゃいけないこと、山積みだ。

 

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